筒井康隆初期原稿


以前アップした内容に誤りがあったため、全面的に改稿しました。

 やや旧聞に属するが、行方しれずになっていた、4枚のショートショート2本。といえば、ツツイストならすぐ分かる、「日日是慌日」昭和61年12月28日に記載のある、大阪の古書店で売っていたあの原稿は、その後、持ち主が「なんでも鑑定団」の“幻の逸品”に出演し、所在が確認されたらしい。このことは、jali-net内の221クラブでも報告されている(970415から)。

 その221クラブを読んで思ったのだが、現在の所有者を泥棒呼ばわりは無いんじゃないだろうか。原稿が流出した責任を負うべきは実際に原稿を流した(あるいはいいかげんに処分した)人間であり、もちろん盗難届が出されていれば古書籍商に責任が生じてくるが、いずれにしろ客に一切の責任はないのでは? 

 ええっとですね、古書業界(きっと骨董業界も)は、何が出てくるか解らないところであって、ちり紙交換に出された紙束の中から貴重な本や原稿が拾い出された、などということもザラにある(永井荷風「ふらんす物語」だか「ボク(字がないよ)東綺譚」だかも確かそうでしたっけ?)し、極端な話、皇室関係資料、偽札、ええなんでもありますとも。むしろ古書籍商や生原稿マニアが、失われてしまったかもしれないものを救っている、と考えた方がいいのでは?ノンキすぎでしょうか。

 と前振りしといて、筒井氏の別の未発表原稿を確認したことがあるのです。その原稿は、平成元年ごろ、関西の大市(古書店どうしの取り引きのみ)に出品され、神奈川の古書店が落札。 タイトルは「ふたつの視点」及び「生まれつき美人」。いずれも題名のみを記した原稿を含めて各5枚。内容、枚数などから見て「団地ジャーナル」用1963年の原稿かな? とりあえず報告のみですが。以上。

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